転職するというのはちがう格闘技に挑戦するようなもの
格闘技と言ってもさままざまなジャンルがあります。
空手、ボクシング、キックボクシング、総合格闘技(MMA)、柔道、レスリング、ムエタイ、
さらにそのジャンルの中でも流派などもありさらに細分化されています。
空手一筋で空手のチャンピオンになっても他の格闘技で勝てるということはありません。
現にK−1では立ち技の最強は誰かということで様々なジャンルの選手がエントリーしていました。(歴史が長くなるとK−1ルールで有利に攻略された選手が必ずでてきますが)
例えば空手とムエタイでは蹴り方も殴り方も肘の使い方も膝の使い方もまったくちがいます。
空手(極真空手)の場合、近距離の攻撃を重視しているので本当に体と体がくっつく位置からでもとんでもない攻撃が出てきますし、ムエタイの蹴りは鞭のようにしなる蹴りなのでブロックしていてもそのブロックを超えて後ろまで足が届き背中にダメージが蓄積していきます。
もっというと立ち技と寝技では使う筋肉がまったくちがいます。
なので、総合格闘技でも寝技重視の選手や立ち技中心でKO狙いの選手、そのバランスのいいオールラウンダーな選手がいます。
そのスタイルは体格や性格によって決まることが多いですが、その選手のルーツにも大きく左右します。
ムエタイを長年やっていた選手なら当然、立ち技メインの選手になるし、レスリング出身の選手なら寝技メインの選手になっていきます。
一つの格闘技をやっていて、他の格闘技にチェンジするということは今まで培った技術や間合い、タイミングを一度リセットして臨まなければなりません。
これは、転職によく似ています。
環境や教え方、体の使い方まで今まで体にしみついた風土を一度リセットして転職先のルールや環境に合わせていかなければなりません。
だからと言って、今までの技術や経験が無駄になることは決してありません。
0から1にするのではなく70から100に近づける作業のイメージで、自分の中で最初の格闘技のスタイル(型)があれば、そこから応用に移るので比較的、苦になりません。
しかし、0から1になる前に、要するに自分の「スタイル」が見つかる基礎の段階でやめて他の格闘技に行くと様々な違いに惑わされて自分のスタイルが逆に見つけにくくなります。
まずは、自分のスタイルを身につけてそこから様々な格闘技に挑戦すれば、新たな発見や、新たな戦略が新しい世界が見つかるかもしれません。