「やりたいこと」をやるより「得意なこと」をやった方が勝率はアップする
私の通っているジムに世界チャンピオンの選手がいました。
彼は今は引退していますが彼が爆進しているときに小学生だった練習生が今では世界を狙うプロの選手になっています。
当時、世界チャンピオンの背中を見て育った彼には世界チャンピオンの選手は憧れでカリスマでありスターだったそうです。
そんな彼と一緒に練習することがありますが事あるごとにその世界チャンピオンだった選手のようになりたいと言っています。
しかし、彼はグラップラー(寝技)で寝技が得意の選手です。しかしスターの世界チャンピオンの選手は完全なシューター(立技)で打撃中心の選手でした。
多分、世界を狙っている若き選手はKOの山を築いて世界チャンピオンになるイメージをもっていると思うんです。でも彼の体格や筋肉の質を見ると一発OKタイプではなく押しても倒れない岩のように頑丈で攻略が難しいというタイプの選手です。
ここに彼のギャップがあります。
憧れていたスター選手のように自分もなりたいと思って練習してきたけれども明らかに向いているのはグラップラー、そこで彼はどういう選択するかというと、勝つためにグラップラーに転向し総合でも寝技中心の戦術で今現在勝ち続けています。
「やりたい」「こうなりたい」と思っていても「これが得意」「これに向いている」方が遥かに勝てるんです。
たまに、それが合致する選手がいますが、本当にそれは幸せなことで「やりたいこと」と「得意なこと」が合わせればそれはとても楽しいし強くなります。
しかし、大半の選手がそうではありません。「やりたいこと」と「得意なこと」のギャップがあるものです。そこで、どちらを選ぶかは選手次第ですが客観的にみていると「得意なこと」を磨き上げている選手のほうが強い選手になっているように見えます。
では、その「得意なこと」を見つけるためにはどうすればいいか?
トレーナーやコーチのような第三者の意見に耳を傾けひたすら試してみる。それでこれが「得意なこと」かなと、自ら「得意なこと」積み上げて行くしかないようです。
「やりたいこと」と「得意なこと」は仕事にも言えます。
接客業がやりたい、クリエイティブがやりたい、医者になりたい、営業職がいい。
様々な「こうなりたい」や「やりたい」があるはずです。でもそれを盲目的に自分を信じて突っ込んで行くと勝率はグッと下がります。
まずは、人の意見を参考に色々試してみて、人前にでるのが得意そうだとかコツコツ作業することが得意そうだとか、研究なら人より優れているみたいだ、など「得意なこと」を明確にし積み上げていきます。そして、自分の「こうなりたい」にその「得意なこと」を合わせて行くと勝率はアップします。
色々探しているところで「やりたいこと」と「得意なこと」がバチーンと合わさって幸せな形になるかもしてません。
そのためには、自分で決めつけるのではなくまず視野を広く持ち色々試して見るのがよいのです。